日本ムエタイ協会

古式ムエタイについてMuay Boran

古式ムエタイ(ムエボーラン)とは

古式ムエタイ(ムエボーラン)は、現在の競技化されたムエタイ以前に行われていた、素手素足を主とする戦闘技法です。タイの国技であるムエタイの原型とも言われており、古くは3000年以上前に起源を持つと言われています。

古式ムエタイの特徴

  • 競技化されていない: 試合時間や体重制限などのルールがなく、相手がKOされるまで戦い続けるという過酷なものでした。
  • 危険な技の使用: 投げ技や関節技などの危険な技も使用することが許可されていました。
  • 武器化した拳の使用: 拳に巻いたロープを松脂で固めたり、ガラス片や砂利などをまぶしたりして戦うこともありました。

現代ムエタイとの違い

現代ムエタイは、古式ムエタイを安全性を考慮して競技化したものです。具体的には、以下の点が変更されています。

  • 危険な技の禁止: 投げ技や関節技などの危険な技は禁止されています。
  • グローブの使用: 選手はグローブを着用して試合を行います。
  • 体重制の導入: 体重制を導入することで、体格差による有利不利をなくしました。
  • ラウンド制の導入: ラウンド制を導入することで、試合時間を制限しました。

古式ムエタイの現状

古式ムエタイは、現代ムエタイほど広く普及してはいませんが、現在でも一部のジムで練習ができます。古式ムエタイを練習することで、ムエタイの原型である実戦的な格闘技術を身につけることができます。

古式ムエタイを学ぶメリット

  • 実戦的な格闘技術を身につけることができる
  • 瞬発力や筋力、持久力を向上させることができる
  • ストレス解消になる

古式ムエタイを学ぶ注意点

  • 危険な技もあるため、必ず経験豊富な指導者の指導を受けること
  • 怪我のリスクがあるため、無理のない範囲で練習すること

古式ムエタイは、伝統的な格闘技であり、現代ムエタイとは異なる魅力があります。興味がある方は、ぜひ一度体験してみてはいかがでしょうか。

古式ムエタイの技法

古式ムエタイには、パンチ、肘、膝、キック、プッシュキックなど、様々な技法があります。これらの技法を組み合わせて、相手を攻撃します。基本型は、古式ムエタイの基本的な動作や技法を体系的にまとめた型です。5種類あり、多いもので9つの技法があります。基本型は、古式ムエタイの基礎を学ぶために不可欠なものであり、多くのジムで練習に取り入れられています。

基本型の種類

基本型は、大きく分けて以下の5種類に分類されます。

  1. パンチ: マッと呼び、パンチの基本的な動作や技法を学ぶための型です。
  2. 肘: ソークと呼び、肘の基本的な動作や技法を学ぶための型です。
  3. 膝: カウと呼び、膝の基本的な動作や技法を学ぶための型です。
  4. キック: テッと呼び、キックの基本的な動作や技法を学ぶための型です。
  5. プッシュキック: ティープと呼び、プッシュキックの基本的な動作や技法を学ぶための型です。

マッ(パンチ)

  1. マットロン(ストレート)
  2. マッタワット(フック)
  3. マンガップ(アッパー)
  4. マッコー(オーバーハンドフック)
  5. マーウィアン(ロングフック)
  6. マーウィアンクラップ(バックハンドブロー)
  7. マックー(ダブルアッパー)
  8. クラドーチョッマッ(ジャンピングストレート)

ソーク(肘)

  1. ソークティー(斜め上から下の肘)
  2. ソクタッ(肘の水平)
  3. ソンガップ(肘のアッパー)
  4. ソップン(突き刺す肘)
  5. ソークラトゥン(下から上の肘)
  6. ソークサップ(上から下の肘)
  7. ソークラップ(バック肘)
  8. ソックー(ダブル肘)
  9. クラドーソッ(ジャンピングエルボー)

カウ(膝)

  1. カウトロン(まっすぐの膝)
  2. カウチエン(斜めの膝)
  3. カウタッ(水平の膝)
  4. カウティー(つかんで膝)
  5. カウラッ(ストンピング)
  6. カウノーイ(小さい膝)
  7. カウローイ(ジャンピングニー)

テッ(キック)

  1. テットロン(フロントキック)
  2. テッチエン(ミドルキック)
  3. テッタッ(ローキック)
  4. テッタワッド(ブラジリアンキック)
  5. ジョラケー(後ろ回し蹴り)
  6. クラドーテッ(飛び蹴り)

ティープ(プッシュキック)

  1. ティープトロン(まっすぐのプッシュキック)
  2. ティープカーン(サイドキック)
  3. ティープグラップラン(バックキック)
  4. クラドーティープ(飛びプッシュキック)

これらの技法は、それぞれに難易度や危険度があります。古式ムエタイを練習する際は、経験豊富な指導者の指導を受けることが重要です。

メーマイとルークマイ

メーマイとルークマイは、古式ムエタイ(ムエボーラン)の基本的な型であり、それぞれ15種類ずつあります。これらの型は、古式ムエタイの技術体系を体系的にまとめたものであり、初心者から上級者まで幅広いレベルの選手が練習することができます。

メーマイ

メーマイは、古式ムエタイの基本的な動作や技法を学ぶための型です。1~15までの番号が付けられており、それぞれ異なる動きや技法が組み込まれています。メーマイを練習することで、古式ムエタイの基本的な動きを身につけることができます。

ルークマイ

ルークマイは、メーマイを応用した、より複雑な動作や技法を学ぶための型です。1~15までの番号が付けられており、メーマイよりも難易度の高い動きや技法が組み込まれています。ルークマイを練習することで、古式ムエタイの高度な技術を身につけることができます。

メーマイとルークマイの関係

メーマイとルークマイは、一体の関係にあります。メーマイは古式ムエタイの技法の基本となるものであり、ルークマイは古式ムエタイの技法をさらに応用したものです。メーマイをしっかりと練習することで、ルークマイに至る基礎をより確実なものとして習得することができます。

メーマイとルークマイの練習方法

メーマイとルークマイの練習方法は、ジムによって多少異なりますが、一般的には以下の手順で行われます。

  • 基本姿勢を学ぶ: 古式ムエタイの基本姿勢である「ファイティングスタンス」を学びます。
  • ステップを学ぶ: 前後左右へのステップを基礎に様々なステップを学びます。
  • アタックを学ぶ: パンチ、肘、膝、キックなど、基本的なアタックを学びます。
  • ディフェンスを学ぶ: プッシュ、ブロック、パリングなど、基本的なディフェンスを学びます。
  • メーマイを練習する: メーマイ1~15を順番に練習します。
  • ルークマイを練習する: メーマイ1~15を基礎としてさらに応用のルークマイ1~15を練習します。

メーマイとルークマイは、繰り返し練習することで上達することができます。日々の練習を積み重ねることで、古式ムエタイの技法をしっかりと身につけることができます。

メーマイとルークマイのメリット

メーマイとルークマイを練習することで、以下のメリットを得ることができます。

  • 古式ムエタイの基本的な動作や技法を学ぶことができる
  • 体幹を鍛えることができる
  • 瞬発力や筋力、持久力を向上させることができる
  • 状況判断能力や集中力を向上させることができる
  • ストレス解消になる

メーマイとルークマイを練習する際の注意点

メーマイとルークマイを練習する際には、以下の点に注意する必要があります。

  • 無理のない範囲で練習する: 怪我のリスクがあるため、無理のない範囲で練習することが大切です。
  • 経験豊富な指導者の指導を受ける: 誤ったフォームで練習すると、怪我のリスクが高まるだけでなく、上達も妨げてしまいます。

メーマイ

メーマイは、古式ムエタイを学ぶための重要な要素です。メーマイを練習することで、古式ムエタイの基礎をしっかりと身につけることができます。

以下、古式ムエタイの母なる型であるメーマイ1~15について、より詳しく説明します。

メーマイ1:サラッファンプラー

メーマイ2:パクサーウェイクラン

メーマイ3:チャワーサドホック

メーマイ4:イナオテングリット

メーマイ5:ヨーカウプラスメル

メーマイ6:ターテンカムファーク

メーマイ7:モンヤンラック

メーマイ8:パックルークトイ

メーマイ9:ジョラケーファンハン

メーマイ10:ハックングアックアイヤラー

メーマイ11:ナーカービットハング

メーマイ12:ヴィルーンハッククラップ

メーマイ13:ダットチャワラー

メーマイ14:クンヤックチャップリン

メーマイ15:ハックコーアイヤラー

ルークマイ

以下、古式ムエタイの子の型であるルークマイ1~15について、より詳しく説明します。

ルークマイ1:エラワンスワインガ

ルークマイ2:バータールーパッ

ルークマイ3:クンヤックパーナン

ルークマイ4:プララーンナオソン

ルークマイ5:グライソンカムフェイ

ルークマイ6:クワンリヨラーン

ルークマイ7:ヒランムンペディン

ルークマイ8:ナームッ パダン

ルークマイ9:ハヌマーン タワイウェン

ルークマイ10:ユントーヘー

ルークマイ11:タイヤイ カムサオ

ルークマイ12:ホーンピックハック

ルークマイ13:サップン マーライ

ルークマイ14:テーンクワッラーン

ルークマイ15:ファーンルックブワ

古式ムエタイ(ムエボーラン)のトレーニング

古式ムエタイ(ムエボーラン)のトレーニングは、主に以下の要素で行われます。

1. 基本的な動作の練習

パンチ、キック、肘打ち、膝打ちなどの基本的な動作を繰り返し練習します。

メーマイと呼ばれる15種類の型を練習することで、古式ムエタイの基本的な動きを身につけることができます。

サンドバッグやミット打ちなどの練習を通して、打撃力や精度を向上させます。

2. 体力強化

ランニングや縄跳びなどの有酸素運動を行い、心肺機能を向上させます。

スクワットやプッシュアップなどの筋力トレーニングを行い、筋力とパワーを向上させます。

体幹トレーニングを行い、体幹を鍛えることで、打撃の安定性を高めます。

3. 柔軟性の向上

ストレッチやヨガなどの柔軟性トレーニングを行い、柔軟性を向上させます。

柔軟性を向上させることで、怪我のリスクを減らすことができます。

4. 実践的な技術の練習

パートナーとのスパーリングを行い、実践的な技術を練習します。

スパーリングを通して、打撃力、防御力、距離感、タイミングなどを身につけることができます。

経験豊富な指導者の指導を受けることで、安全かつ効果的に練習することができます。

5. 精神面の鍛錬

古式ムエタイは、精神的な強さも重要です。

忍耐力や集中力、精神力などを鍛えるトレーニングも行われます。

精神的な強さを鍛えることで、試合や困難な状況に打ち勝つことができます。

古式ムエタイのトレーニングは、体力、技術、精神力を向上させることができます。古式ムエタイに興味がある方は、ぜひ一度体験してみてはいかがでしょうか。